2023年04月03日
リフォームをきっかけに検討する方が多いのが、屋根の軽量化です。屋根を軽量化させるメリットや注意点などについて解説します。
屋根を軽量化させるリフォームのメリット
屋根を軽量化させることには、さまざまなメリットがあります。代表的なメリットは、耐震性能の向上、重い屋根材の落下事故防止、工期の短縮などです。
耐震性能が上がる
リフォームで屋根を軽量化する大きなメリットといえば、耐震性能が上がる点です。建物の重量があるほど耐震性が低くなってしまうため、重くなることが多い屋根を軽くできれば、耐震性の向上が期待できます。
耐震性を高めるためには、建物の重心を下げることが重要です。屋根は建物の中でも高い部分にあるため、軽い屋根に変更することで建物全体の重心を低くできます。
屋根材の落下による被害を防げる
屋根材が軽くても落下の被害を100%防ぐことは難しいですが、軽い屋根の方が落下のリスクは小さくなります。
地震などが発生した際に重い屋根材が落下した場合、下にいた人に当たって大怪我をさせてしまう可能性もゼロではありません。万が一の被害を防ぐためにも、軽い屋根を選択しておくメリットは大きいです。
重い屋根の代表といえば、瓦です。瓦は落ちた際に割れて飛散してしまうことがあります。大地震の際、落ちて割れた瓦が飛散して足場を荒らしてしまうような可能性も考えられます。
逃げ道がふさがれてしまうこともあるので、軽くて割れにくい金属屋根へリフォームすることは地震対策にもつながるはずです。
工期が短い
リフォームの際に選択する屋根材が重いと、工期も長くかかってしまいます。一方、軽い屋根材はスムーズに工事を進められることもあり、工期を短くすることが可能です。
工期が短くなる分コストが抑えられるのも大きなメリットといえます。
屋根を軽量化させる際の注意点
屋根を軽量化することに対する注意点もあります。
例えば、屋根だけを軽くしても建物の基礎などに問題があれば、十分な耐震性は期待できません。地震に強い家にしたいと考えているのであれば、建物全体の総合的な耐震性に注目することが重要です。
耐震診断なども行いながら、どのようなリフォームで耐震性能向上が期待できるのか考えてみることをおすすめします。
長期優良住宅化リフォーム推進事業制度とは
屋根を軽量化するリフォームを行いたいものの、費用面で悩んでいるのであれば「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の利用をおすすめします。国が行っている補助制度で、住宅の長寿命化、省エネ化などに関するリフォームを行う場合に支援が受けられるものです。
屋根の軽量化による耐震性の向上も、長期優良住宅化リフォーム推進事業で認められている「耐震性のためのリフォーム」に該当します。
1戸あたりの補助上限は年度によって異なり(令和4年度募集例は原則100万円/戸)で、補助対象となる費用の3分の1が支給される制度です。自分で申請するのではなく、登録事業者に事前の登録手続きをしてもらう必要があるため、確認してから検討する必要があります。
利用するにあたり条件が定められているほか、募集期間もあるので、条件などを確認し、該当する場合は利用を検討してみるのがおすすめです。
参考:国立研究開発法人 建築研究所「長期優良住宅化リフォーム推進事業」(https://www.kenken.go.jp/chouki_r/)
屋根軽量化のメリットは大きい
現在設置されている屋根材が重いものである場合、軽い屋根材に変更して軽量化することにより、多くのメリットがあります。
特に地震はいつ発生するかわからないものなので、万が一に備えて耐震性を高めておきたいと考えているのであれば、屋根の軽量化は非常に効果的です。建物全体の耐震性を高めるには基礎の強化などについても検討が必要ではありますが、重い屋根材を使っている場合は屋根の軽量化により耐震性能向上が期待できます。