2023年03月06日
古い屋根のリフォームで注意が必要なのがアスベストです。どのような屋根に含まれているのか、見分け方やリフォーム方法について解説します。
アスベストを含有する屋根とは?
アスベストとは、石綿とも呼ばれている鉱石です。屋根が割れるのを防ぐ効果があり、スレートタイプの屋根を中心に活用されていました。
ですが、繊維が非常に細かいアスベストは、呼吸で吸い込んだ際に肺にとどまってしまう危険性があり、現在は使用されていません。古い住宅の屋根にはまだアスベストが含まれている可能性があります。
基本的にセメントで固められているため撤去する際以外は問題ありません。しかし、老朽化している住宅の屋根に使われている場合、破損などによってアスベストが飛散してしまう恐れがあります。健康被害のことを考えると、アスベストが含まれている屋根は撤去し、リフォームで新しい物にする必要があります。
アスベストを含有する屋根かどうかの見分け方
そもそも建物の屋根にアスベストが含まれているか判断しかねている方もいるはずです。見極めるポイントとして、建設時期と屋根の状態が挙げられます。
建設時期
現在、アスベストの使用は国によって禁止されていますが、禁止される前の段階で建てられた建物には使用されている可能性があります。
労働安全衛生法施行令の改正によってアスベストが全面禁止となったのは、2006年9月1日以降です。建物が建設された時期や、屋根が設置された時期が2006年以前であればアスベストが含まれている可能性があります。
屋根の状態
アスベストは非常に耐久性が高い特徴を持ちます。そのため、一般的にスレート屋根の寿命とされる15~20年を過ぎているにもかかわらず、ひび割れなど大きな劣化が見られない場合はアスベストが含まれている可能性が高いです。
アスベストを含有する屋根のリフォーム方法
アスベストを含有している屋根をリフォームする場合、葺き替え、またはカバー工法で対応することになります。それぞれどのようなリフォーム方法なのかについて解説します。
葺き替え
葺き替えとは、現在の屋根を解体し、新しい屋根材に交換する方法です。アスベストを含む屋根材を撤去できるため、万が一の健康被害に備えたいと考えている方には葺き替えが向いています。
ただし、通常の葺き替えリフォームにかかる費用に加え、アスベストを撤去するための費用が必要です。リフォームの費用が高くついてしまうため、いくらかかるのかについてはよく確認しておくことをおすすめします。
カバー工法
カバー工法は、既存屋根材の上から新しい屋根材を重ねるリフォーム方法です。アスベストが含まれている古い屋根材は撤去しません。アスベストを含む屋根材を新しい屋根材で封じ込めるようなイメージです。
古い屋根材の撤去費用がかからないため、葺き替えと比較して費用を安く抑えられます。
ただ、屋根の劣化が激しい場合はカバー工法では対応できません。また、連続してカバー工法は行えないので、次回屋根リフォームをする際に葺き替えが必要です。将来的にはアスベストの撤去費用がかかることになります。
アスベスト撤去に対応しているリフォーム業者に相談
健康被害のことを考えると、屋根にアスベストが含まれている場合はリフォームで対応することをおすすめします。
アスベストの解体作業は石綿作業主任者の資格を持っている作業者でなければ行えません。リフォーム会社にアスベストが含まれている屋根のリフォームを依頼したいと考えている方は、石綿作業主任者が在籍しているリフォーム業者を選択してください。
過去のアスベスト屋根のリフォーム実績なども確認しておくと安心です。