2022年08月29日
屋根の劣化現象の一つとして現れるのが、棟板金の釘浮きです。そもそも屋根の釘とはどこのことをいうのか、放置するとどういった問題があるのかなどについて解説します。
屋根の釘とは?
屋根の釘は、屋根の中でも「棟板金(むねばんきん)」や「棟瓦(むねがわら)」と呼ばれる部分を固定するために使われています。新築の頃はしっかりと打ち込まれている釘も、築7年以降になると少しずつ抜けてしまいます。
屋根の棟板金や棟瓦の釘がゆるみ、釘浮きと呼ばれる現象が起こる大きな原因として挙げられるのが、風や気温の影響です。特に棟板金は強い風が吹いた際にその影響を受けやすく、長年にわたって風を受けたことにより少しずつ釘が抜けていきます。
また、金属板で作られていることから暑い日は膨張し、寒い日は縮む現象を繰り返します。これが、劣化につながってしまうことが多いです。
注意点として、釘浮きが起こっていてもなかなか地上からは見えません。直接屋根に登ったり、高所カメラなどを使ったりした専門的な確認が必要です。
屋根の釘浮きを放置してはいけない理由
ほんの少し釘浮きが発生しているだけだからといって放置するのはよくありません。以下のようなトラブルにつながってしまう恐れがあります。
雨水が侵入して貫板(ぬきいた)が傷む
屋根の釘浮きが発生すると雨水が浸入しやすくなり、棟板金の中に入っている「貫板」と呼ばれる板が腐食してしまう可能性があります。特に木材で作られている貫板は腐食しやすいため、注意が必要です。
棟板金や棟瓦が変形・破損する
釘浮きが発生していると、板金や瓦をきちんと固定できず、強風などの影響を受けやすくなります。そのため、釘浮きが発生している状態で台風などが来ると変形・破損の恐れがあります。
棟板金や棟瓦が飛ばされる
釘浮きによってきちんと固定されていない棟板金や棟瓦は、強風が吹いた際に飛ばされてしまう可能性があります。最悪のケースでは付近を歩いていた人にあたり、ケガを負わせてしまうかもしれません。
運良く人に当たらなくても、隣の家の駐車場に止まっていた車に落下した、外壁を傷付けてしまったなどのトラブルも考えられます。
風が吹くとパタパタと動くような状況になっているのであれば、すぐにでも対応が必要です。
雨漏りの原因になる
釘浮きが原因で屋根が変形・破損した場合、そこから雨水が浸入し、雨漏りにつながってしまう恐れがあります。早急に修理が必要ですが、大型の台風などで近隣の被害が大きくなった後などのタイミングではなかなかリフォーム業者が捕まらず、対応が遅れてしまうことがあります。
釘浮きした屋根をリフォームする際の費用相場
屋根に釘浮きが発生しているのであれば、早い段階でリフォームを行ったほうが安心です。その場合にかかる費用の目安は、以下の通りです。
- 釘の打ち込み…15,000~30,000円/1棟
- 棟板金と貫板の交換…5,000~8,000円/m
- 棟瓦の交換…10,000~50,000円/枚
具体的にどのようなリフォーム作業が必要なのかについては、実際に屋根に登ったり、カメラで確認したりしてみなければわかりません。大掛かりなリフォームが必要になる可能性もあるので、釘浮きの可能性がある場合は一度リフォーム業者に確認してもらうことをおすすめします。
周囲にいる人をケガさせてしまうような恐れも
釘浮きが発生したままで放置すると、雨漏りが起こりやすくなるだけではなく、棟板金や棟瓦が風で飛ばされてしまい、周囲にいる人をケガさせてしまうような恐れもあります。
釘浮きは地上からはなかなか確認できないものではありますが、心配な方は一度リフォーム業者に確認してもらい、必要に応じて対応してもらうのがおすすめです。