2022年03月14日
屋根の中でも特に「漆喰(しっくい)」が何かわからず、リフォーム時に本当に修理が必要か悩む方もいます。漆喰の特徴や、おさえておきたいポイントについて解説します。
そもそも漆喰とは何か
漆喰とは、屋根の「棟」と呼ばれる屋根の一番高い部分に使用されており、瓦屋根の土台を守る役割を持っています。そのため、漆喰が傷んでしまった場合、その隙間から雨風や雨水が浸入し、屋根のトラブルに繋がる可能性が高いです。
普段見えない部分であり、経年劣化していたとしてもなかなか気づけません。ですが、瓦がずれていたり、雨漏りなどの症状があったりする場合は漆喰の状態が悪化している可能性も疑われます。
漆喰補修工事とは
屋根リフォームにおける漆喰補修工事とは、古い漆喰を取り除き、塗り直す工事のことをいいます。状況によっては残っている漆喰の上から新しい漆喰を重ねて塗ることもありますが、確実なのは塗り直しです。
重ね塗りで対応した場合、短期間で雨漏りなどのトラブルにつながってしまう恐れがあります。
専門的な知識を必要とする作業であるため、自分で屋根に上り、漆喰の塗り直しをすることはできません。万が一屋根から落ちた場合には大怪我をしてしまう恐れがあるので、やめておいたほうがいいです。
また、漆喰の状態がそれほど悪くなっていない場合は漆喰を塗り直して表面を整えるだけで済むのですが、棟瓦にずれが発生しているような場合は取り直し工事も検討が必要になります。
通常の塗り直しに比べると期間と費用がかかることになるので、まずはどちらで対応できそうかリフォーム業者に確認してみるのがおすすめです。
屋根リフォームで漆喰補修工事が必要になる状態とは
屋根リフォームで漆喰補修工事が必要になる状態として、以下のようなものが挙げられます。
雨漏りが発生した時
漆喰が剥がれたことが原因で発生している雨漏りがある場合、大元の原因である漆喰の補修工事を行わなければ問題が解決しません。漆喰の剥がれによって雨漏りが起こっている場合はすでに状態がかなり悪化している証拠ともいえるので、この場合は早急な対応が必要です。
見た目で劣化が分かる時
明らかに割れや崩れ、穴があくなどの劣化が起こっている場合も補修工事の目安となるタイミングです。それほど状態が悪化していない場合、簡単な補修工事で済む事も多く、結果的に費用を抑えることにもつながります。
漆喰が半分以上剥がれた時
屋根のメンテナンスをせず、半分以上漆喰が剥がれてしまったような状況だとしても、すぐに雨漏りに繋がるケースはほとんどありません。ですが、更に状態がひどくなってから慌てて屋根リフォームを依頼するよりも、屋根塗装などを行うタイミングで一緒に修理してしまうのがおすすめです。
屋根リフォームで漆喰補修工事を行う場合の費用相場
2階建で屋根面積が100㎡と仮定した場合の費用目安を解説します。
この場合、漆喰・塗装作業の相場は約24万円~約42万円です。足場の費用として約15~約20万円かかるので、費用総額として約40万円~約60万円かかると考えられます。
具体的な費用はリフォーム業者によって異なるので、よく確認してから検討すると安心です。
状態が悪化した漆喰の放置はNG
瓦屋根がずれているなど、目に見えるトラブルとは異なり、多少漆喰が剥がれていてもそのままで大丈夫なのではないかと考えてしまう方もいます。ですが、屋根を支える重要な部分なので、漆喰にトラブルが発生すると屋根全体のトラブルにつながる可能性も高いです。
そのため、屋根リフォームを行う際に漆喰の補修をおすすめされたのであれば、前向きに検討してみることをおすすめします。少し剥がれた程度ですぐに雨漏りに繋がることはほぼありませんが、屋根リフォームのついでに直しておくと安心です。