2020年07月14日
外壁の表面が白くなる「エフロレッセンス」と呼ばれる現象は、主に漏水が原因で発生します。状態の悪化を防ぐためには、できるだけ初期段階でクラック補修や防水などの対策をとることが大切です。
外壁が白く汚れるエフロレッセンスとは
一般的に「エフロ」と呼ばれるエフロレッセンスは、コンクリートやレンガなどに発生することがある現象で、外壁が白く変色したように見えるものです。原因や発生しやすい場所をご紹介します。
エフロの発生原因
コンクリートの中にある水酸化カルシウムなどの成分が水に溶けると、徐々に表面上に染み出します。染み出した水酸化カルシウムは、空気中に含まれている炭酸ガスと反応して炭酸カルシウムを作り、乾燥して水分が蒸発すると結晶化し、白く目に見える状態になるのがエフロです。
エフロが発生しやすい場所
コンクリート内部で水分が蒸発してしまえばエフロになりにくいのですが、気温や場所などの関係で水分が蒸発しにくく、乾燥に時間がかかる場所はエフロが発生しやすくなります。例えば、日光が十分に当たらず日陰になりやすい建物の北側は気温が上昇しづらく、エフロが発生してしまうリスクが高くなります。
また、普段はエフロの心配がないような場所でも、梅雨や台風が多い時期はジメジメしていて水分が蒸発しにくく、エフロが発生してしまうこともあります。
エフロレッセンスを放置するとどうなる?
エフロレッセンスは、ただ壁が白くなる見た目の問題だけではなく、建物の寿命を縮める原因にもなってしまいます。
エフロレッセンス自体が建物の耐荷力などを低下させるわけではありませんが、エフロレッセンスはコンクリート内の水分の移動や、小さなひび割れなどが発生している場合に発生しやすい現象です。
エフロレッセンスが発生するような状態の外壁を放置すると、タイルやモルタルが剥離しやすくなります。
また、エフロレッセンスはコンクリートの中にあるアルカリ成分が漏出している状態であると考えられるため、コンクリートの中性化が進んでいると判断できます。
コンクリートには中性化の影響を受けやすい塩化物イオンが混入しているため、中性化が進んだ場合にはコンクリート中に含まれている鉄筋が腐食し、建物の寿命が著しく短くなってしまう可能性も高いです。
特に白だけでなく茶色いものが染み出しているエフロレッセンスが発生しているなら、内部鉄筋が錆びているサインだといえます。このようなことから、外壁が白く汚れるエフロレッセンスを見つけた際には外壁の状態が悪化していることを疑い、早い段階で対策をとることが大切です。
エフロレッセンスの対策
エフロレッセンスが発生してしまった場合、次のような対策が効果的です。
初期段階で対策を取る
初期の段階でクラック(ひび割れ)から白く染み出しているエフロレッセンスを発見できた場合、その部分のクラックを補修すればそれ以上の悪化を防ぐことが可能です。
そのため、定期的に外壁の状態を確認することをおすすめします。
また、初期段階の一次エフロと呼ばれる状態は水で洗い流せる可溶成分なので、酸で洗わなければ除去できない二次エフロに進む前に対策をとることが重要です。
防水対策をしっかり行う
建物内部に水が浸入することによってエフロレッセンスが発生するので、防水対策に力を入れることも大切です。特に、どこから雨水などが侵入しているのかが分かっている場合、その部分の防水対策を取ることにより状態の悪化を防ぐことができます。
専門業者に漏水の原因を調査してもらう
エフロレッセンスは漏水が原因で発生するものなので、何が漏水を引き起こしているのか専門業者に調査してもらうことをおすすめします。
根本的な原因を解決しなければ何度も繰り返すことになってしまうので、原因をつきとめて対策をとることが重要です。
漏水の調査を
文面の記載通り、エフロレッセンスは漏水が原因で発生するものなので、何が漏水を引き起こしているのか専門業者に調査してもらうことをおすすめします。