2020年05月19日
外壁が劣化した際には、「クラック」と呼ばれるひび割れが発生しやすくなります。このひび割れを放置すると建物が腐食してしまう危険性が高まるため、早期にクラック補修するなど注意が必要です。クラック補修の重要性についてご紹介します。
塗料の膜(塗膜)のひび割れ
特にひび割れが発生しやすくなるのが、築10年頃からの時期です。この時期に注意しておきたいひび割れの補修と原因についてご紹介します。
ヘアークラックの原因と特徴
築10年位の時期には、「ヘアークラック」と呼ばれるタイプのひび割れが発生しやすくなります。これは、外壁が経年劣化した際に発生するひび割れで、まるで髪の毛のような0.2mm以下、深さ4mm以下の軽微なクラックが特徴です。
外壁は一年中雨風や紫外線にさらされているだけでなく、外気温の影響も受けます。
これにより塗料や外壁材が乾燥収縮し、塗料の膜が劣化することによりヘアークラックが起きてしまうのです。
また、コンクリートのかぶり厚(鉄筋から表面までの厚さ)が不足してしまった場合や、強度不足などの施工不良が原因で発生することもあります。それから、塗装する際に塗料が十分に乾いていない段階で作業を進めてしまったケースでも、ヘアークラックが発生しやすいです。
外壁材のひび割れ
ひび割れが発生した際のクラックの補修方法は、原因や進行度によって異なります。何が原因で発生しているひび割れなのかを判断し、最適な補修を選択することが大切です。
構造クラックの原因と特徴
幅が0.4mm以上、深さ5mm以上の割れ目が発生している場合、建物の構造部分にひびが入っている「構造クラック」である可能性が高いです。
構造クラックが発生する原因として挙げられるのは、建物の強度低下など構造上の問題や、地震・地盤沈下などの外的要因、凍結・乾燥や経年劣化によるものです。
構造クラックが発生した場合、できるだけ早急に補修したほうが良いとされています。放置すると構造に影響をおよぼしてしまう恐れもあるため、注意が必要です。
もともとは小さなひび割れとして発生していたものが、進行して構造クラックになることもあります。
乾燥クラックの原因と特徴
モルタル、または構造部木材が乾燥収縮することによって発生するひび割れが「乾燥クラック」です。ひび割れの幅は狭く、素地が完全乾燥すれば大きくなることはありません。
ただ、完全乾燥する前に大きな「乾燥クラック」が発生してしまった場合は補修が必要です。
縁切れクラックの原因と特徴
左官工事によるモルタルなどの外壁は、1つの面を一度で仕上げます。
天候の影響などを受けて作業が途中で中断したり、部分的にやり直しが入ると、先に塗り終えていた箇所と、後から塗る箇所のつなぎ目部分にひび割れが発生する事があります。その境目を縁と言われており、ひび割れを「縁切れクラック」と呼びます。
ひびの幅が大きくなる前に補修をしておくと広がりを抑えられます。
外壁のクラック補修をするメリット
外壁にひび割れが発生した場合は、早い段階で補修することにより状態の悪化を防ぐことが可能です。
放置するとどのような危険性があるのか、繰り返しひび割れが発生するのを防ぐにはどうすれば良いかご紹介します。
外壁クラック放置の危険
外壁にひび割れが発生すると、そこから雨水が浸入して構造体が腐食してしまう危険性があります。また、侵入した雨水により壁の内部にある鉄筋が錆びついてしまった場合、鉄筋部分が膨張して周辺のコンクリート片を押し出してしまう「爆裂現象」が起きてしまう可能性もあるのです。
そこまでになるとコンクリートが剥がれ落ちる深刻な事態に繋がります。
外壁クラックは再生防止が大切
ひび割れを発生させないためには専門的な施工として、あらかじめ「ひび割れ誘発目地」を入れておく事で、その目地位置に力を逃すことができます。また、外壁の温度変化を防ぐ断熱塗料を使用することも重要です。
また、できるだけ早い段階でひび割れに気づけるように定期点検を実践することをおすすめします。これらの対策は建物全体の資産価値を保つことにも繋がります。
放置するのではなく相談を。
一言でクラック(ひび割れ)といってもいくつか種類があります。クラックの種類によって対処する方法が異なる為、まずは相談する事をおすすめします。
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