2020年03月17日
外壁塗装は紫外線や雨などから家を守る重要な役割を持っていいます。十分な機能性を発揮するためには、適切なタイミングで塗り替える事が重要です。そこで気になるのが、どれくらいの頻度、タイミングで塗り替えれば良いのかについてです。
外壁材・塗料によって変わる特徴や気になる費用、外壁塗装を塗り替える際に気をつけておかなければならない注意点などについてご紹介します。
外壁塗装の種類と特徴
どの種類の外壁材・塗料なのかによって、特徴や塗り替えに適している時期が変わるので注意が必要です。
外壁材別の塗り替え時期と特徴
特に外壁材として使われることが多い素材と塗り替え時期の目安は次の通りです。
外壁材 | 塗り替え時期 | 特徴 |
タイル | 10~15年 | 手入れは必要であるものの大掛かりなメンテナンスは不要 |
モルタル壁 | 8~10年 | セメントと石灰、砂をまぜたもの。適切に塗り替えなければヒビ割れが起きやすい。 |
窯業系サイディングボード | 7~8年 | 防水機能が弱いので塗り替え時期目安を超えて放置しないように注意。 |
木質系サイディングボード | 8~12年 | 無垢の木材を使ったもので水に弱い。定期的なメンテナンスが必要。 |
金属系サイディングボード | 10~15年 | スチールやアルミニウムで作られた金属鋼板。耐用年数は長い。 |
樹脂系サイディングボード | 10~20年 | 長期間にわたり色落ちしにくい。弾力性だけでなく、耐久性・断熱性がある。 |
ALCボード | 10~15年 | 断熱と耐火、耐久性に優れているが防水性が弱いため適切な時期に塗り替えが必要。 |
コンクリート壁 | 15~20年 | 防水効果がなくなると劣化が進みやすい。 |
塗料の耐用年数と特徴
塗料の耐用年数と特徴を確認し、適切な塗り替え時期を見極める必要があります。
塗料 | 耐用年数 | 特徴 |
ウレタン塗料 | 8~10年 | 防水性と耐久性に優れている |
シリコン塗料 | 10~15年 | 仕上がりが美しく耐久性と耐候性が高い |
ラジカル塗料 | 12~15年 | 防カビ性能に優れ、光沢がある |
フッ素塗料 | 15~20年 | 高価ではあるものの光沢感、防汚性が高い |
無機塗料 | 15年~ | 紫外線で劣化せず耐久性が高い |
塗り替え後のメンテナンス
外壁の塗り換え後は優しく水洗いでお手入れします。汚れが目立つ場合は中性洗剤を水で薄めて使えば落ちやすいです。
柔らかいブラシやスポンジ、モップなどを使って汚れを落としたら、最後に洗剤が壁に残らないように水で洗い流します。
塗り替え時の費用相場
外壁塗装にかかる費用はケースによって大きく異なりますが、相場として以下のものを1つの目安にしてみてください。
内容 | 平米単価相場 | |
工事 | 仮設足場 | 1,000~2,000円 |
高圧洗浄 | 300~600円 | |
養生 | 300~600円 | |
飛散防止ネット | 200~500円 | |
コーキング | 900~1,700円 | |
シーリング | 900~1,700円 | |
下塗り | 1,100~2,000円 | |
塗料 | ウレタン系塗料 | 1,400~2,000円 |
アクリル系塗料 | 1,200~1,800円 | |
シリコン系塗料 | 2,200~3,500円 | |
フッ素系塗料 | 3,200~4,700円 | |
光触媒・無機塗料 | 4,200~5,200円 | |
遮熱・断熱塗料 | 4,500~5,500円 |
続いて坪数から外壁塗装の面積を求め、上記の表を参考に相場を算出すると以下の通りとなります。
※外壁の面積を調べる計算式は「延坪×3.3×係数(1.2)=外壁面積」
坪数 | 面積 | 費用相場 |
20坪 | 79.2㎡ | 50万以上~ |
30坪 | 118.8㎡ | 80万以上〜 |
40坪 | 158.4㎡ | 100万以上〜 |
50坪 | 198㎡ | 135万以上〜 |
60坪 | 237.6㎡ | 160万以上〜 |
上記は塗料の中でも人気の高いシリコン系塗料を選択した場合で計算しています。実際に塗り替えを行う場合には塗料の料金だけでなく、工事にかかる料金についても確認しておかなければなりません。
また近隣住宅との距離が近い場合、足場の組み立てが難しくなり追加費用がかかることもあるので注意が必要です。
塗り替え時の注意点
塗り換え時には次のことに注意しておく必要があります。
作業工程の確認
すべてお任せして進めてもらうのではなく、どのような作業工程を予定しているのか事前に確認しておいたほうが良いでしょう。一般的には次のような形で進みます。
- 1.足場の設置
- 2.高圧洗浄
- 3.乾燥
- 4.下地処理
- 5.養生
- 6.下塗り
- 7.中塗り
- 8.上塗り
- 9.養生取り
- 10.足場の解体・片付け
- 11.引き渡し
優良なリフォーム会社・外壁塗装業者であれば、事前に施主用に工程表を用意してくれるので、それと照らし合わせながら正しい形で作業が進められているか確認することができます。
見積書など契約書類の確認
見積書や契約に関する書類は非常に細かい内容が記載されているため、軽く読んで済ませてしまう方が多いのですが、重要な項目も記載されています。必ず隅々まで確認し、何か気になることやわからないことがあった場合は確認することが大切です。
塗装業者によっては、しっかり説明ができているつもりでも、重要な項目が分かりにくい事もありますので、慎重に確認しなければなりません。
施工に対する保証の確認
どのような保証が用意されているのかは各リフォーム会社・外壁塗装業者によって異なるので、事前に確認が必要です。どのような保証書が発行されるのか、具体的な保証内容について説明を聞いたうえで、理解しておくと安心です。
特にどの部分に対してどのような保証をしてくれるのか、保証期間は何年かについては必ず確認しておかなければなりません。外壁塗装・屋根塗装は、塗装する部位によって塗料が異なると、保証期間が変わるため注意が必要です。
近隣への挨拶回り
外壁塗装で問題になりやすいのが、近隣トラブルです。例えば足場を組み立てる際にはどうしても大きな音がしますし、塗料の臭いが気になる方もいらっしゃいます。
また養生がきちんとできていなかった場合には、飛散した塗料が近隣の住宅の外壁や車に飛んでしまい大きなトラブルに繋がってしまうこともあるのです。これを防ぐためには丁寧な養生をしてくれる優良リフォーム会社・外壁塗装業者を選ぶのはもちろんのこと、事前に近隣への挨拶回りをしてくれるところを選択しておくと安心できます。
塗り替え時によく起こるトラブルと対処方法
特に多いトラブルを3つご紹介します。
仕上がりがイメージと違った
予想していたのとは全く違う仕上がりになってしまい、後悔している方もいます。色見本を確認して選んでも、小さな色見本で見るのと外壁に広く塗られた状態で見るのとはイメージが異なるので、注意しておかなければなりません。
色見本をもらったら室内ではなく、太陽光の下で確認することで、このようなトラブルが起きにくくなります。また、日中だけでなく、朝や夕方の色の見え方を確認更に安心です。
植木や車などに塗料が付着した
丁寧な養生をしてくれるリフォーム会社・外壁塗装業者に依頼しておけばまず安心ですが、植木や車など塗料が付着してほしくないところがきちんと養生されているか事前に確認しておくと安心です。
リフォーム会社の保険によっては発生したトラブルの修理にかかる費用を全額弁償してもらうこともできます。
施工不良が発生した
外壁塗装が完了してからほんの1~2年程度で、すぐに剥がれた、浮きが出てきた、などの場合は施工不良の可能性が高いです。このような場合は施工を担当したリフォーム会社に連絡し、保証の範囲内で対応できるのか確認する必要があります。
信頼できる外壁塗装業者を選ぶポイント
信頼できるリフォーム会社・外壁塗装業者の特徴は次の通りです。
外壁塗装に関する実績が豊富
外壁塗装は現場で職人が仕上げていく半製品です。そのため、経験・実績が豊富なリフォーム会社・外壁塗装業者を選ぶことは、信頼できる会社としての一つの基準になります。新しい会社でほとんど実績がない場合でも、基本はしっかりと施工してくれますが、外壁塗装の施工実績が多ければ多いほど信頼度は高くなります。
保証とアフターフォローが充実している
保証やアフターフォローに関しても必ず確認しておいてください。保証やアフターフォローが全く用意されていないリフォーム会社や外壁塗装業者に依頼してしまった場合、施工完了後すぐに何かトラブルが起きたとしても対応してもらえない可能性があるからです。
特に価格重視で安いところに決めた場合は、保証やアフターフォローの面で不安が残るケースもあるので、十分に確認しておく必要があります。
マメに連絡が取れる
担当者に電話をしてもなかなか繋がらない、質問をしてもすぐに返事が返ってこないなど連絡が取りにくいところは注意が必要です。
何かあればすぐに連絡が取れて、変更点などがあった場合には早急に知らせてくれるリフォーム会社・外壁塗装業者を選ぶと安心できます。
塗装実績の確認を
現地調査の際に細かいところまで見ているか、その内容が見積に反映されているか、説明があったかという点が契約時のポイントです。
どんなに気を付けていてもトラブルが起きる場合もあります。起きた場合でも迅速に対応できる会社を選ぶのがおすすめです。
今まで同じような事例を扱った事があるかないかも確認する事をおすすめします。