2019年10月02日

お役立ちコラム 屋根リフォーム 07.屋根塗装・リフォームを業者に依頼する際の注意点とは?

そろそろ屋根のリフォームを検討しようと考えながらも、どこから手をつけていいかわからない、インターネットで調べてみても、どこに頼むべきか目星がつけにくい、リフォーム会社や屋根塗装・工事の会社に直接依頼するには気が引ける、といった方の話をよく聞きます。実際屋根の種類も多く、部分的な修理から全部取り換える「葺き替え」と工事の種類も様々です。ここでは屋根リフォームを依頼する際には、どのようなことに注意したらよいかご紹介します。

屋根の修理やリフォームを考えはじめインターネットで調べると、様々なリフォームについての広告や説明のホームページが存在しています。中には「低価格で屋根(雨漏り)修理の対応をします」という広告もあります。
しかし実際に必要な工事は、屋根に使われている材料や現状の屋根の状況によって大きく変わってきます。
低価格の修理は、瓦2~3枚のひび割れの補修や、コロニアル(スレート屋根)の差し替え等、一部分だけの処置がほとんどです。その場限りの処置では、再度その部分の工事が必要になる場合もありますし、同じように弱っていた別の部分で、同じ症状の修理が必要になる場合もあります。特に最近の台風等では屋根のトラブルが多いということもあり、根本的な解決をしない限り、何度も同じような工事を繰り返すことにもなりかねません。
「根本的にどのような対応をしたらよいのか」という問題は、屋根の材料や工事方法といった知識を習得した、しっかりとしたリフォーム会社・屋根塗装/工事会社に依頼することをオススメします。

以下、「知識習得」と「業者選び」について、5つのポイントに整理しました。

その1:屋根材の種類と特徴を理解する
その2:屋根リフォームの種類を知る
その3:屋根リフォームの相場を知る
その4:屋根リフォームにふさわしい時期を知る
その5:信頼できる業者を選ぶ

順番にご紹介します。

注意点その1:屋根材の種類と特徴を理解する

屋根材の歴史は長く、おなじみの瓦から、時代と共に施工しやすい屋根材が開発されており、現在では多数存在します。
一般住宅で使用されている屋根は、大きく分けると粘土系、セメント系、金属系(ガルバリウム、銅板、トタン)、スレート系(化粧スレート、天然スレート)、の4種類に分かれます。

① (和瓦・洋瓦)


瓦の多くは粘土でできています。よく旅行先等で制作体験ができるお皿等と同様で、練って成形し、1,000~1,250℃の高温で焼成し作製します。耐久性は50年以上(場合によっては100年以上)と他の屋根材より優れており、塗り替えの必要はありません。現存する戸建住宅で、大小の規模に関わらず多く使われています。また厚みや重さがあるので、遮音性能や耐熱・断熱性能に優れています。
他の屋根材と比較すると重量があるため、最近では軽量化したものや、遮熱タイプ等も発売されています。昨今の台風等の自然災害の際に、瓦は不具合が多く報告されている事もあり、最近では瓦での施工は減っているようです。

② セメント瓦


セメントと砂(砂利)、水を原料とした瓦で、厚形スレート瓦(プレスセメント瓦)とコンクリート瓦は製造の方法によって変わります。
厚形スレート瓦は熱に強く、着色できるのでカラーバリエーションも豊富です。

コンクリート瓦は、厚形スレート瓦よりセメント量が少なく、押出成形の為、立体感ある屋根を形成できる瓦です。
雨水にさらされることで、コンクリート屋根材に化学変化が起こり、色褪せや変色、チョーキング、カビやコケの発生など劣化が進むことがあるので、定期的な屋根塗装等、メンテナンスが必要となります。

③ 金系(ガルバリウム、銅板、トタン)


ガルバリウム鋼板は、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%から成る、日鉄住金鋼板株式会社製のアルミ亜鉛合金メッキ鋼板です(商品名)。アルミと亜鉛の特徴をうまく混ぜ合わせ、従来の鋼鈑より耐久性に優れています。
一番の特徴は軽量で耐震性が高く、デザイン形状・カラーバリエーションも豊富で、価格も比較的安めです。期待耐久年数は40年~となります。不燃材の為耐火性も高いです。

銅板は錆がつきにくく、比較的安価です。10円玉と同様で水に当たると緑青ができて腐食を防ぎます。ただし酸性雨や電食により穴が空きやすいという、銅ならではの特徴もあります。軽量でメンテナンスの必要がなく、期待耐久年数は50年~となります。

トタンは継ぎ目が少ないので雨漏りしに素材です。また材料や施工費も安価なうえ、施工期間も短めです。ただし錆びやすく、年月が経つと穴が開くこともあります。

金属系の屋根は雨音等が響きやすく、断熱性能も金属製のため低く、夏場に室内が熱くなる傾向がありますが、現在は対策された商品も発売されています。メンテナンスとしては、一定の期間毎に、屋根塗装が必要です。

④ スレート系(化粧スレート、天然スレート)

一番有名なものは、カラーベスト・コロニアルと呼ばれる商品です。株式会社クボタとパナソニック株式会社の住宅外装建材部門が事業統合してできた、ケイミュー株式会社の商品です。分類は化粧スレートです。セメントに繊維を混ぜて固めていることもあり、割れやすく経年で色褪せが目立つといったことがありますが、瓦に比べて安価で、施工しやすいという特徴もあります。

2000年以前の商品は、アスベストが含まれていましたが、2006年以降の商品ではアスベストは使われておりません。
天然スレートは、粘板岩という天然の石を薄く板状に加工したもので、希少で非常に高価なものです。戸建住宅ではあまり使われておりません。一番身近な例として、東京駅の屋根があげられます。

注意点その2:屋根リフォームの種類を知る

屋根のリフォームの種類を紹介します。

大きくは「修理」と「リフォーム」に分かれます。
「修理」は一部分の交換(瓦1枚の交換等)や補修(シーリング補修等)です。
部分修理は、費用面は最小限に抑えられますが、他の部分で補修の必要が出た場合は、再度費用がかかります。一か所補修が必要であれば、他も同様の痛み方をしている可能性が高いと考えられますので注意が必要です。
屋根のリフォームについてはいくつか種類があります。費用は修理と異なり、100万円以上かかる場合もあります。

① 屋根葺き替え工事

既存の屋根材、屋根材の下に敷いてある防水シート(ルーフィング)と野地板(木材下地)を一度全部撤去し、野地板・防水シート・屋根材を張り替えます。「防水シートの回復」と「野地板の回復」が主な目的になります。
屋根部分が重い瓦等の場合、新しく軽量の屋根材に葺き替えることで耐震性も高まるメリットもあります。

② 屋根重ね葺き工事(カバー工法)

既存の屋根(主にコロニアル)の上に、新しく重ねるように防水シートと軽めの屋根材を取り付けていく工事です。既存の屋根材の撤去などを行わないため、葺き替え工事よりもコストを抑えられる傾向があり、人気のリフォームで、「防水シートの回復」がメインの目的になります。

廃材が発生しないため、解体工事費と廃材処理費が最小限で済みます。工期も解体の時間が必要ないので短くなります。屋根が二重構造になるため、断熱や遮音性能が上がるといったメリットもあります。ただし劣化の状態によっては、カバー工法ができない場合もあるので注意が必要です。

③ 屋根塗装工事

屋根をキレイに洗浄した後に、屋根材本来の働きを保持するために、専用の塗料を塗ります。遮熱に特化したもの、耐候性に優れたものなど、塗料には様々な効果効能があるので、用途に合わせて塗料を選ぶことができます。
ただし塗装で雨漏り等の不具合が治るということはありません。

④ 漆喰補修工事

日本瓦の下に敷かれている、屋根と下地の接着剤の機能がある漆喰は、放っておくと経年劣化していきます。その劣化により瓦のずれ・欠けが起ってしまうことで雨漏りの原因となるため、漆喰を取り替えたり補充したりします。一部分だけではなく全体的になる場合も多いです。

⑤ 棟板金交換工事

スレート屋根の上の部分の棟板金の交換です。下地が腐食していれば、こちらも交換します。

⑥ 雨樋交換工事

経年劣化による破損、ゴミつまり等で雨漏りの原因になるために交換します。

注意点その3:屋根リフォームの相場を知る

屋根リフォームの工事費用相場は以下のようになります。

修理

こちらは部分修理の大きさや箇所数によっても大きく変わります。

・雨樋の修理(交換)  ~10万円
・棟板金の修理    3万~10万円
・雨漏り修理    5万円~50万円

修理は状況によって大きく変わるので、現地調査の上での見積が必要です。

屋根の塗装工事

・ウレタン塗料の平米単価 :約1,800~2,000/平方メートル
・フッ素塗料の平米単価 :約3,500~4,500円/平方メートル
・シリコン塗料の平米単価 :約2,500~3,500円/平方メートル

※上記の単価は、下塗りを含む3回塗りでの金額となります。

上記の平米単価に屋根の面積(1階の床面積×1.5〜1.7)を掛けた数字が、屋根の塗装工事の費用相場です

屋根材のリフォーム工事

次に屋根材のリフォーム工事についてご紹介します。

・カバー工法の費用相場:約100万円前後
・葺き替え工法の費用相場:約130万円〜約170万円

カバー工法の場合、廃材が発生しないため解体工事費と廃材処理費が最小限で済みます。
一方葺き替え工法の場合は、費用は高くなる傾向があります。

屋根材の種類別費用相場の一例

・日本瓦 :約1万円〜約1万5,000円/平方メートル
・セメント瓦 :約8,000円〜約1万2,000円/平方メートル
・スレート瓦 :約6,000円〜約1万2,000円/平方メートル
・ガルバリウム鋼板 :約9,000円〜約1万5,000円/平方メートル
・ステンレス :約1万3,000円〜約2万円/平方メートル
・ファイバーシングル:約1万円〜約1万5,000円/平方メートル
※材料費、工事費含む 

注意点その4:屋根リフォームにふさわしい時期を知る

それぞれの屋根材によって、適切なリフォームの時期が異なります。耐用年数とリフォームの目安となる劣化症状をご紹介します。

ガルバリウム鋼板の場合

ガルバリウム鋼板屋根の場合、耐用年数は約30年~約40年といわれていますが、20年~でもリフォーム時期を迎える場合もあります。

•屋根材が浮いている
•サビ
•色落ちや色褪せ

といった劣化症状が見られたらリフォームをオススメします。

コロニアルの場合

耐用年数は約15年~約25年だといわれおり、メンテナンスが必要な時期は約7年~約8年~が目安です。

•色褪せ(チョーキング)
•水を含んでぶよぶよしている
•屋根材が浮いている
•割れやずれ

といった劣化症状が見られたらリフォームをオススメします。

屋根瓦の場合

陶器瓦は約50年~約100年ですが、下地材の交換は必要です。

いぶし瓦は約30年~約50年で交換
セメント瓦が約30年~約50年ですが、メンテンナンスとして塗装が必要です(10年~15円毎)

陶器瓦といぶし瓦の場合

•コケや藻
•割れ・ズレ・浮き・たわみ・ひずみ
•棟瓦や漆喰が崩れ
•色褪せ(セメント瓦)

といった劣化症状が見られたらリフォームをオススメします。

注意点その5:信頼できる業者を選ぶ


様々な屋根の種類、リフォーム・修理等種類もある中で、しっかりと現地調査をした上で説明・明確な見積書を提出してくれることが大切です。
今契約すると大幅な値引きする、即決のみを促すといった、営業方法は少なくなりましたが、まだまだ存在することも多いようです。焦らず冷静に検討することをオススメします。
悪い例としては、恐怖をあおるような営業。

「このまま放置したら大変なことになる」「今すぐ修理しないと家がつぶれる」といった営業もあるといいます。もちろん雨漏り等、今すぐ直さないといけないものありますが、劣化しただけで倒壊までいくような症状はほぼありません。こういった営業を受けたら、落ち着いて他の業者に点検してもらうことをオススメします。
(独)国民生活センターには、こういった恐怖をあおるような事例がまだまだあるようです。
営業が即決を促してきたら、他のリフォーム会社等にも現地調査を依頼してみましょう。
大幅な値引きをする営業も同様です。元の価格が高い場合があります。

様々な屋根の種類やリフォーム方法があるため、把握するのに手間も時間もかかりますが、自分自身にとって最適なリフォームは何か、いくらかかるのかなど冷静に判断するためにも、何社かの見積を比較することをオススメします。

数字の出し方は各業者によって異なりますので、単純に見積書を比べるのは難しいかもしれません。しかし必要な工事が入っているかどうか確認すると同時に、詳しく説明を聞くことで工事の内容を把握できるだけでなく、費用等の相場もわかってきます。単純に安ければよい、高ければ安心という訳ではなく、内容の良し悪しやプランの提案内容等、しっかりと把握した上で、納得して屋根リフォーム工事をする塗装業者やリフォーム会社を選ぶことが重要です。また雨樋やベランダの防水等工事の範囲も把握しておきましょう。疑問点等は見積と共に確認し、不明な点を解消してから契約することをオススメします。


屋根のリフォーム業者を選ぶ注意点は、現地調査をしっかり行っているか、どのようなリフォームが必要かの提案がしっかりしているか、工事が見積通りに反映されているか、工事する・しないの範囲が明確になっているか、といったことを、いくつかの業者で比較し明確になってきます。屋根は家の中で、最も重要な箇所といえます。事前に知識を身に着けることで、納得のいく屋根リフォームを実現できるでしょう。

メンテナンスが心配なら、、

雨風をしのぐ為の屋根は、家で一番厳しい環境に接しているともいえます。
家の一番重要なポイントが屋根だとすると、しっかりとしたメンテナンスが必要です。
屋根だけは、高めの塗料をつかった塗装や、葺き替えをして20年前後というスパンでメンテナンスするという方も増えています。
屋根だけ塗料を変える等の施工も一般的ですのでぜひご検討下さい。

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