2023年03月20日
下屋(げや)がある場合、適切なタイミングでリフォームについて検討する必要があります。下屋とは何か、メリット・デメリット、リフォーム方法などを解説します。
屋根の「下屋」とは?
下屋とは、2階建住宅の母屋から差し出す形で作られた屋根や、その下にある空間のことをいいます。
1階と比較すると2階の面積が小さい建物で、1階部分の屋根にあたるのが下屋です。メインとなる屋根よりも一段低い位置に設置されていることから、下屋と呼ばれます。
下屋のメリットやデメリット
下屋には、メリットとデメリットの両方があります。それぞれについて解説します。
下屋のメリット
下屋があることによって、1階の外壁の中には雨が直接当たらなくなる場所が生まれます。そのため、雨や風などによる外壁の劣化を防ぐのに役立ってくれます。
また、下屋があればその下のスペースを有効活用しやすくなるのもメリットです。特に縁側や物置、自転車置き場などとして利用されることが多いです。
雨が降った日でも下屋の下なら濡れないのもメリットといえます。下屋の下に洗濯物を干しておけば、雨が降ってきたからといって慌てる必要がなくなります。
下屋のデメリット
下屋であっても敷地境界線からはみ出すことはできません。そのため、居住空間が狭くなってしまうことがあるのがデメリットです。
新たに設置する場合、追加の建築費もかかります。新築住宅の場合も、1階と2階の面積が同じ総2階の建物と比較すると建築費が高くつくのがデメリットです。どの程度の費用が加算されることになるかは、設置する下屋によっても異なります。
また、基本的に母屋の外壁に差し込んで設置することから、雨漏りのリスクについても考えておく必要があります。正しく施工されていれば雨漏りのリスクはほぼありません。ですが、例えば経年劣化などの影響でリスクが高まってしまうことはあります。劣化した場合、状況に合わせて補修やリフォームが必要です。
下屋のリフォーム方法
下屋のリフォームには、塗装と葺き替え、重ね葺きの3つの種類があります。それぞれどのようなリフォームなのか解説します。
塗装
塗装とは、新しく塗料を塗ることにより、屋根の機能性などを回復させるためのリフォームです。
ただし、屋根が著しく劣化しているような場合は、塗装だけでは対応できないことがあります。塗装のみで済ませられる状態であれば、コストを抑えられるのがメリットです。
葺き替え
葺き替えは、既存の屋根を撤去し、新しい屋根を設置する方法です。新しい屋根の費用のほか、古い屋根の撤去・処分の費用がかかることになるため、コストは高めです。ですが、新品の屋根に交換できるメリットがあります。
重ね葺き
重ね葺きは、既存の屋根に新しい屋根材を重ねるリフォーム方法です。重ね葺きであれば、既存屋根の撤去が必要ないことから費用を抑えられます。
ただ、屋根を重ねることになるので、総合的な重量が増してしまうのがデメリットです。屋根が重いほど地震などによる影響を受けやすくなるため、屋根の状態によっては重ね葺きよりも葺き替えの方が適していることもあります。
下屋のリフォームも忘れずに
下屋がある建物の場合、2階の屋根と同様に適切なタイミングでリフォームを行うことについて検討が必要です。
長く暮らしていると、下屋の劣化や、雨漏りが見つかることもあります。そのまま放置してしまうとさらに劣化が進み、大規模なリフォームが必要になることもあるため、早期の段階でリフォーム業者に相談するのがおすすめです。早めに対応することによって、簡単な補修のみで済ませられるケースもあります。
塗装、葺き替え、重ね葺きなどの選択肢があるので、屋根の状態に合わせて選択することが重要です。