2023年02月20日
日本建築で多く採用されているのが、入母屋屋根です。入母屋屋根のリフォームについて検討している方のため、特徴やメリット、デメリットなどについて解説します。
入母屋屋根(いりもややね)とは?
入母屋屋根とは、切妻屋根と寄棟屋根が複合した屋根のことをいいます。
切妻屋根とは、2面だけで屋根を構成している屋根であり、三角屋根とも呼ばれるものです。屋根の最長部から地上に向かって2つの傾斜面が伸びています。一方、寄棟屋根とは、4方向に傾斜面が伸びている形の屋根です。
それぞれ特徴が異なりますが、寄棟屋根の棟木を水平に伸ばし、切妻屋根になるような形状の屋根が入母屋屋根です。特に高級な住宅で多く採用されています。
入母屋屋根の特徴
入母屋屋根は特徴的な屋根であり、メリットだけではなくデメリットも存在します。それぞれについてまとめました。
入母屋屋根のメリット
入母屋屋根は重量感のある見た目が特徴的で、構造がしっかりしています。そのため、頑丈なのが大きなメリットです。切妻屋根の特徴である通気性の良さや、寄棟屋根の特徴である耐久性・耐風性の高さを併せ持ちます。
また、日本では伝統的な建物に多く採用されており、有名なお屋敷などの屋根も入母屋屋根であるケースが多いです。日本の良さを感じさせる落ち着いた和式の住宅に近づけます。
高級感もあるので、見た目と機能性の両方にこだわりたいと考えている場合におすすめです。
入母屋屋根のデメリット
入母屋屋根は複雑な構造をしており、異なる部品同士が出会う「取り合い」が多く発生します。雨漏りが発生するのはほぼ取り合い部分からであるため、雨漏りのリスクが高まってしまうのがデメリットです。
また、特徴的な屋根の形であることから、対応できる職人は多くありません。瓦の枚数も必要になりますし、施工コストが高くついてしまうデメリットがあります。
さらに、重量感はあるもののその分屋根が重くなってしまうので、軽い屋根と比較すると耐震性面で不利になるのもデメリットです。
入母屋屋根のおすすめリフォーム方法
入母屋屋根のメリットを活かしつつ、デメリットを抑えるリフォーム方法として、瓦ではなく金属屋根(ガルバリウム鋼板)を使用したリフォームが挙げられます。
ガルバリウム鋼板は非常に軽量であり、なおかつ耐久性を持った屋根材です。機能性に優れていることから、近年は多くの建物で採用されています。表面がメッキで覆われているので、錆びにくいのも特徴です。
屋根を軽くできればその分、耐震性も上がるので、耐震性の問題をカバーしながら入母屋屋根をリフォームしたいような場合に適しています。
入母屋屋根といえば瓦屋根ではありますが、瓦調デザインのガルバリウム鋼板屋根もあるので、見た目も気になりません。実際に、重くて台風などの際に損傷しやすい瓦屋根からガルバリウム鋼板屋根に切り替える方も多くいます。
現在、入母屋屋根で高級感や重量感などを保ってリフォームしたいと考えている方も、ガルバリウム鋼板屋根がおすすめです。
入母屋屋根のリフォームは慎重に
入母屋屋根は日本では昔からおなじみの屋根の形です。しかし、近年は数が減っており、対応できる職人も少ないことから、おもに高級住宅などに採用されています。
一般的な屋根の形状と比べると複雑であるため、リフォームをする際には入母屋屋根の施工実績があるか確認したうえで、リフォーム業者を比較するのがおすすめです。
デザイン性が高く人気がありますが、瓦屋根だと重いというデメリットが大きくなってしまうので、リフォームの際には軽いガルバリウム鋼板への変更も検討してみることをおすすめします。どういった形が適しているのか、どのリフォーム業者を選択するかについては慎重に判断が必要です。