2023年01月23日
屋根にはさまざまな素材が使われていますが、その一つがステンレスです。ステンレス屋根のメリットや、近年主流となっているガルバリウム鋼板との違いについて解説します。
ステンレス屋根とは
ステンレス屋根とは、おもにステンレスを原料とした板状の薄い屋根材のことをいいます。主成分が鉄、他にクロムやニッケルなどが含まれた合金であるステンレス鋼板と呼ばれるものです。
国内の屋根素材としては、それほど多く見かけません。リフォームでは熟練の加工技術を必要とする屋根材でもあります。
ステンレス屋根のメリット
ステンレスを使った屋根には、錆びにくい、劣化しにくいなどのメリットがあります。
錆びにくい
ステンレスの大きな特徴ともいえるのが、錆びにくいことです。身の回りでいうと、道路標識や冷蔵庫、ハサミなどにもステンレスが使われています。錆びにくい特徴からキッチンなどの水周りに多く使われている素材です。
屋根は雨風にさらされる場所ということもあり、錆びやすい素材を選んでしまうとすぐに劣化してしまいます。金属屋根の中には錆びやすいものがありますが、中でもステンレスは錆びに強いのが大きなメリットです。
劣化しにくい
錆びにくい特徴は、劣化も抑えてくれます。一度サビが発生するとそこから一気に劣化が進んでしまうことがありますが、その心配が少ないです。
屋根は建物の中でも家を守る重要な役割を果たしている部分なので、劣化しにくい素材を選ぶことは非常に重要だといえます。
リフォーム時に比較したいステンレス屋根とガルバリウム鋼板の違い
リフォームする際に悩む方が多いのが、ステンレス屋根にするか、ガルバリウム鋼板にするかです。
ガルバリウム鋼板は、ステンレス屋根と同様に金属屋根のことをいいます。ステンレス鋼板とガルバリウム鋼板では、耐用年数や見た目、コストに違いがあります。
耐用年数
耐用年数は、ステンレス鋼板が50年程度なのに対し、ガルバリウム鋼板は30年程度です。そのため、より長く使える屋根材を選択したいと考えているのであれば、ステンレス鋼板が向いています。
一方、30年ほどでリフォームや建て替えを予定しているのであれば、ステンレス鋼板ではなく、カルバリウム鋼板から検討してみるのがおすすめです。
見た目
ステンレス鋼板は、表面部分を刷毛で掃いたようないくつもの細かいラインがついています。キッチンなどのステンレス部分をイメージするとわかりやすいはずです。この細かいラインによって小さな傷などが目立たなくなるのが、ステンレス鋼板の魅力ともいえます。
一方で、ガルバリウム鋼板は鉄板をメッキ加工した鋼板ということもあり、表面がつるつるしているのが特徴です。デザイン性に優れており、さまざまなカラーバリエーションが用意されています。ただ、弾力性があまりない素材なので、傷が付きやすいです。
コスト
コストについては、ガルバリウム鋼板が1平方メートルあたり6,000~9,000円であるのに対し、ステンレス鋼板は10,000~14,000円ほどです。一般的にはステンレス鋼板の方が高くついてしまいます。
ただ、耐用年数が大きく異なることもあり、単純にステンレス鋼板の方がコストが高くつくとは言い切れません。ステンレス鋼板は導入コストがかかるものの、ランニングコストが低く抑えられる屋根材です。
環境によっても適しているかが変わる
ステンレス屋根はサビに強く、耐久年数も長い素材です。現在は金属屋根といえばガルバリウム鋼板が主流ではありますが、場合によってはステンレス屋根のほうが向いていることもあります。
例えば、海の近くなどにある建物の屋根としては、錆びにくいステンレス鋼板の方が長持ちするはずです。ただ、コストの問題も出てくるので、リフォーム時にはステンレス鋼板とガルバリウム鋼板のどちらが適しているのか、よく検討して決めることをおすすめします。