2020年07月21日
外壁や屋根の凍害とは
凍害が発生する原因や症状についてご紹介します。
凍害の原因とメカニズム
物質は液体よりも個体のほうが体積は大きくなります。そのため外壁材・屋根材に染み込んだ雪や雨の水分が凍った場合、膨張して体積が大きくなり経年劣化などで発生しているクラック(ひび割れ)を押し広げて、凍害を引き起こしてしまうことがあります。
これを繰り返すことにより小さなクラックが徐々に大きなクラックになったり、外壁材・屋根材が劣化したりしてします。特に気温が低い北海道や東北地方は注意が必要です。
凍害の種類や症状
代表的な現象は3つです。
・スケーリング
最低気温が-2度以下の地域で発生しやすい現象で、コンクリート内に含まれている水分が何度も凍結・融解することで壁の表面が剥がれ落ちる症状
・ひび割れ
壁の中で凍った水分の体積が膨張した際に、持ち上げられた外壁の膜が膨張についていけずにひびが入る症状
・ポップアウト現象
凍害の初期症状で、壁の表面が円錐状に剥離する症状
いずれの場合も外壁材・屋根材に染み込んだ水分が凍ったり溶けたりすることが原因なので、吸水率の高い外壁材・屋根材ほど発症するリスクが高くなります。
凍害が発生しやすい場所
以下の場所は特に凍害が発生しやすいのでお気をつけください。
キッチンやバスルーム
キッチンやバスルームなどの水回りは湿気が高くなり、外壁の内側にも水分がたまります。この水分が凍結・融解するのも凍害を引き起こす原因の一つです。
水回りでは頻繁に水を使うこともあり、なかなか対策をとりにくいのが問題点になります。
リビングの外壁等
寒暖差が激しくなりやすい場所も凍害が起こりやすいです。特に冬場に暖房を使うことが多いリビングは外気との温度差が大きくなり、外壁には湿気がたまりやすくなります。そのため、リビングの周辺は凍害が発生しやすく、中でも湿気が多いサッシの周辺は症状が現れやすい場所です。
その他の発生場所
太陽の光が当たらず水分が乾きにくい建物の北側や、周辺の環境によって日陰になりやすい場所周辺は蒸発しきれなかった水分が凍結し、凍害が発生しやすいです。また、形が不安定な部分は凍害が起こりやすいことから、建物の角やサイディングの境目も凍害のリスクがあります。
凍害による外壁と屋根の対策
凍害が発生しやすい地域に住んでいる場合、次のような対策があります。
定期的なメンテナンスを行う
外壁材や屋根材の状態に合わせ、適切なタイミングでメンテナンスを行うことが重要です。特に築10年以上経過している建物の場合は、一度専門家に診断してもらったほうが安心です。
建物内部の凍害は専門家にしか分からないので、目に見える部分に異常がなくても油断はできません。
特に屋根は普段自分の目で確認することが難しいので、状態が劣化していることに気付きにくいです。外壁の診断を専門家に依頼する場合、同時に屋根の状態も確認してもらうとより安心です。
吸水率が高い外壁材・屋根材ほどリスクが高まるため、メンテナンスやリフォームをする際にはできるだけ吸水率の低い外壁材・屋根材を検討することをおすすめします。
凍害を放置するとどうなる?
凍害を放置してしまった場合、建物内部にまで被害が及ぶ恐れがあります。建物の腐食や外壁材・屋根材の劣化が進んでいれば大規模な補修工事が必要になる可能性も高くなります。
状態が悪化する前に食い止めることができれば、それだけ修理費用を抑えることにもつながるため、早めに専門家に相談することをおすすめします。
適切なタイミングでメンテナンスを行うことが重要
建物の外壁や屋根が凍結することによって発生する障害を「凍害」と呼びます。凍害を防ぐためには適切なタイミングでメンテナンスを行い、対策をとることが大切です。
しっかりと見てもらう為幾つかのリフォーム専門店、塗装会社に見積依頼する事をおすすめします