2019年12月24日
屋根塗装・外壁塗装は火災保険を活用して行える?
屋根塗装や外壁塗装をする際にはすべて実費になるイメージを持っている方もいますが、実は火災保険で対応できる可能性があります。100%火災保険でまかなえるわけではないのですが、条件が合えば自己負担を大幅に抑えられるので非常にお得です。
実際にお金の問題を心配して屋根塗装や外壁塗装を諦めてしまう方もいますが、どのようなケースで火災保険が適用になるのか、注意すべき事がらなどについてご紹介します。
条件が定められている
詳しくは後ほどご説明しますが、適用には条件が定められています。自然災害などが原因で屋根塗装や外壁塗装が必要になった場合、火災保険の対象となる可能性が高いです。
具体的な条件や補償の対象となる範囲については、どの種類の火災保険に加入しているのかによっても異なります。
外壁塗装に火災保険が適用される可能性があるのは3つ
一口に火災保険といっても大きく分けると3つの種類があります。自分はどのタイプの保険に加入しているのかよく確認しておくことが大切です。
住宅火災保険
火災保険の中でも基本的なタイプといえる保険です。
こちらで対象となるのは次の自然災害によるものです。
- 風災
- 雹災
- 火災
- 雪災
- 落雷
- 爆発
注意しなければならないこととして、自己負担額の設定によっては上記の条件に該当するとしても屋根塗装・外壁塗装で保険金がおりないケースがあります。
住宅総合保険
様々なリスクに対応可能な保険で、こちらは住宅火災保険では対応できないような災害被害でも保険を適用させることができます。
先述した住宅火災保険で対象となるもののほか、
- 水害
- 盗難や破損
- いたずら書き
なども補償対象となる場合があります。
こちらの場合も自己負担額の設定によっては保険金がおりないケースがあるので注意しなければなりません。
オールリスクタイプ
新タイプとも呼ばれている保険であり、従来のものより補償範囲が手厚いものや、
保険金額の範囲内で実際の損害額が補償される、などの特徴があります。
住宅火災保険・住宅総合保険の内容に加え、機械設備の事故やガラス破損なども対象となるものもあります.
実はあまり知られていない?保険金が出るケース
自己判断で「これは火災保険の対象にはならないはず」と考えているものの中には対象となるものがあります。具体的な事例についてご紹介します。
家の壁に車のすり傷がついた
道路に面している外壁があると、周辺を通る車が接触した際にすり傷がついてしまうことがあります。こちらは災害ではないので火災保険では対応できないと思ってしまいがちです。
しかし「住宅火災保険」ではなく、住宅総合保険やオールリスクタイプに加入している場合は対象となる可能性があります。この際、自己負担額0円の設定であれば修理にかかる費用は基本的にすべて保険金で対応可能です。
外壁にいつついたのかわからない傷がある
住宅火災保険、または住宅総合保険に加入している場合は難しいのですが、オールリスクタイプの保険に加入している場合は補償の範囲が非常に広いため、保険会社に相談してみる価値はあります。
いつついたかわからないような傷でも、リフォーム会社や保険会社の専門家に確認してもらえば原因や時期が判明し、補償の対象となるケースもあるのです。
屋根材の損壊があるけれど自然災害が原因かわからない
こちらのケースも「自己判断で経年劣化が原因かもしれないから対象にはならない」と考えてしまう方もいますが、一度専門家に確認してもらうことをおすすめします。災害によるものと判断されれば火災保険の対象となります。
ただし屋根材の種類によって、自然災害によるものと判断される基準が異なるので注意が必要です。
覚えておきたい!火災保険適用の条件
先述した各保険が適用されるケースに該当していなければ、火災保険を屋根・外壁塗装に使うことはできません。更に詳しくご紹介します。
大前提として災害で屋根や外壁に損害を受けていること
住宅火災保険の場合、補償対象となっているのは先述した自然災害のみです。そのため「経年劣化や落書きなどが原因で外壁が汚れてしまったから塗装したい」などのケースでは補償対象にはなりません。
気をつけなければならないのが、災害の中でも地震は火災保険の補償対象ではなく、地震保険の補償対象だということです。地震によって屋根や壁が崩れてしまったとしても火災保険では対応できません。
住宅火災保険は20万円
住宅火災保険の場合は補償代金の最低額が20万円と定められています。そのため屋根塗装や外壁塗装の見積もり額が20万円以下となった場合には対象となりません。
竜巻は対象外となる場合がある
台風や竜巻による自然災害では、風の影響により瓦屋根が飛んでしまったり、外壁材が剥がれてしまったりすることがありますが、こういったものも火災保険の対象となります。
また風によって飛ばされてきた石やゴミなどが外壁に直撃して崩れてしまったり、風圧により窓ガラスが割れてしまったりした場合も対象です。
申請対象となるのは基本的に、最大瞬間風速が秒速20m以上の風によって被害や損害が発生した場合となります。
しかし竜巻による被害は補償対象外とみなしている保険会社もあるので、確認が必要です。
リフォームではなく原状回復
「火災保険の対象となるからこの際に新しいものにリフォームしてしまおう」と考える方もいますが、火災保険で請求ができるのは、あくまで原状回復の費用のみとなっています。
そのため塗装工事をするにしても、自然災害ではなく経年劣化が原因で発生しているトラブルの改善については実費での補修になると考えておかなければなりません。
どこまでが火災保険の対象になるのか、実費負担になるのはどこからかなどについては事前にリフォーム会社・外壁塗装業者に確認をしておいたほうが安心です。
また仮に自己負担になる部分だったとしても、状態を長持ちさせるための補修を行っておいたほうが、結果的にその後のメンテナンスにかかる費用を抑えられるケースも多いため、このあたりも含めて相談しておくことをおすすめします。
申請可能期間に注意
自然災害による破損事故が発生したら2~3年以内に保険適用の申請が必要です。自分の場合の申請期間については保険証書で確認をしておいたほうが安心できます。
そのうち申し込みをしようと考えていて申請期間を過ぎてしまった場合には対象外となるので注意が必要です。
注意!保険金が確実におりるわけではありません!審査があります。
すべてのケースで火災保険の適用が認められるわけではなく、審査に合格しなければなりません。まずは加入している火災保険の保険証書を確認して、自分の場合は保険適用となる契約内容なのかを確認します。
当然ながら条件に該当しない場合は保険料の支払い対象にはならないため、適正な保険料を支払うために保険会社の人が家を訪れて具体的な被害箇所の調査をすることになるのです。
担当者は提出された申請資料や現場を確認しながら保険の適用になるかだけでなく、保険金をいくら支払うかまで確認を行います。適用となった場合には一般的に約1~2週間を目安に振り込まれるのですが、大きな災害が起きてしまった時などは調査しなければならない建物が多く、更に時間がかかる可能性があります。
審査を受ける前のポイント
審査に関して個人でできることは何もないように思ってしまいがちですが、ポイントは火災保険を使用しようとした際に保険会社よりも先にリフォーム会社・外壁塗装業者に連絡しておくということです。
これにより事前に火災保険の審査が通りそうかある程度確認してもらえますし、認定のための申請書の書き方なども相談できます。できる限り審査に通る確率を上げておきたいと考えている方におすすめです。
まずは、実際に加入している火災保険を確認
まずは、実際に加入している火災保険を確認し、その上で保険会社に問合せをするとスムーズです。
保険の調査が入る場合は、調査後リフォーム会社に見積を依頼します。
火災保険がおりて着工~完工するまでには時間が掛かる事が多いので、どれくらいかかるのかも
確認しておく事をおすすめめします。